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13th floor

多紋天

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多紋天


日本画家 阿部清子さんの作品のモデルをやらせて頂きました。


絵のモデルをやる為に阿部さんのご自宅へ伺いました。

黒留袖を着付けて頂き、片腕を遠山の金さんポーズで晒して

阿部さんからは「かわいい!」と何度もお声かけ頂き この格好で可愛いとは…? と不思議な気分でしたが、完成したらこの作品を見て、強さと美しさの中にちょっと可愛らしさがあると思いました。


そして下敷きになっている邪気。あまり嫌そうに見えない気がします。ちょっと嬉しそう。

上に乗っている私もそんなに偉そうではないです。

私自身、とても気に入っている特徴的な耳もしっかり描かれていて好きです。


阿部さんの作品は元々大好きなので作品に入り込めてとても幸せ。



桑原聖美さんと阿部清子さんの日本画展は、


2023年5月16日(火1-27日(土]

12:30~18:00

く日曜休廊/最終日16時終了>

あらかわ画廊で開催されています。





https://t.co/kWviKqGgAM

  1. 2023/05/20(土) 22:31:14|
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ポチ






ポチとは私がSMクラブに勤め出してすぐに出会った。




当時名古屋のSMバーからSMクラブに移籍した私にとっては、「決められた時間内で、密室で、2人きりで行うSM」は初めてだったので戸惑うことが多かった。


随分と年上の先輩のプレイを見学させて頂いた際にとめど無く唇から溢れる「責め」の言葉に驚いた。


その流暢にいやらしい責めの言葉を操る姿は本当に美しかった。




SMバーにいた頃は檻や陳列された拷問具や、赤い壁に随分と助けられていたということをラブホテルの白い部屋に立って痛感した。




見よう見まねで先輩の様に一生懸命何か話さなくてはと頑張ってみた。


お前は変態ね、いやらしい子ね


自分の言葉ではないセリフだった。



こんなこと私に出来るんだろうか。


縛ったり、鞭を打ったり。そんなことができたって何もできない。



私の心はそこに乗らずにただ白い部屋に漂っていた。





そんな日々の中でポチは私の元にやってきた。


真っ黒に日焼けした長身。


大きな荷物を持って。



シャワーを浴びて出てくると、目と口だけ穴の空いているレザーのマスクを被り、レザーのTバックを履き、さまざまなベルトの様なものを体に巻きつけていた。



いつも通りに歯の浮く言葉責めをした。




「いいんです、何も言わないで大丈夫です、私の目を見てください。」



私の心がその言葉の中にないのがバレてしまった。


恥ずかしい様な申し訳ない様な、それよりもホッとした気持ちになった。



レザーに囲まれた目をじっと見つめているとポチはみるみる高揚した。



白い部屋に漂っていた私の心はすとんと私の中に戻ってきた。



そして一本鞭を何度も打った。


黒い肌に、赤と言っていいのかわからない、どす黒い様な線がつく度に、ポチは震えながら悦んだ。



私の体に血が巡っている。


生きている。


私は興奮した。


これだ、私が私であることをやっと実感できた。




それから幾度となくポチは私の元へやってきた。


正装とでも言おうか、レザーのマスクを被り私の足元へ跪き


御調教宜しくお願い致します。



きちんと挨拶をした。



幸せだった。


とても立派な「女王様」になれた気がした。



腕がクタクタになる程一本鞭を打ち、血が滲んだ。


アナルに拳を挿れた。


ポチが持参する様々なかっこいい拘束具を使った。



「私が一番幸せを感じる時は、きっと、十三花様に殺される時です」



今まで聞いたどんな言葉より痺れた。







東京へ引っ越してから、何度かポチと個人的に会った。



そして、ある日。



「夢の中で十三花様がこれをかざして微笑んでいました。とても美しかったです



と静かに微笑みながらテーブルの上にナイフを置いた。




刺してほしいという事なんだろう。



それはすぐにわかった。私はその時初めてポチに恐怖を感じた。



私はポチに目隠しをして椅子に座らせ枷やボンデージテープや縄や様々なもので完全に動けなくなる様に拘束した。



そしてそれを眺めながら煙草を燻らした。




どうしよう 戸惑いがあった。



揺らいでいた。


もちろん、思い切り刺すわけにはいかない。


でも、ナイフを使わないわけにはいかない。



迷った挙句、私が刺青を入れて他に比べて痛くなかった場所、二の腕をほんの少し切った。


ほんの少しのつもりだったけれど、思ったよりも血は流れた。







それからポチには会っていない。


あの日ポチは私を越えてしまった。




立派な女王様になれた様な気がしていたけれど、きっとポチは私に出逢うもっと前からそんなことをしていて、跪いたのもきちんとご挨拶ができたのも誰かに教わった事なんだろう。 私のあの白い部屋に漂っていた心はポチのお陰で私の中に戻ってきたけれど、いつの間にか心にもハイヒールを履いてしまっていた。


そのハイヒールはポチが履かせてくれた事に、会わなくなってやっと気付いた。





だけど、あの時挫けずに今こうやってここにいられるのは、ポチ、あなたのおかげです。







  1. 2023/04/20(木) 21:34:46|
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【4月1日〜4月31日】 女性限定コース開催のお知らせ

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女性限定コース

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戸籍上、女性でしたらどなたでもご利用可能です。



料金
80分 13,000
110分 16,000
140分 20,000
上記プラス初回指名料1000(2回目以降2,000)+初回のみ入会金3000+ホテル料となります。





女性限定コースの第三弾を開催致します。



同業の方が来てくださったり、ただお会いしてみたかったとお話のみの女性。


もちろんしっかりプレイをするM女さん。



そんな女性の方々が来てくださる機会がありがたいことに増えてきました。



女性が予約をしても大丈夫でしょうか?


という問い合わせを頂くことも多いです。



いつ来てくださっても歓迎しますが、なかなか


という事もあると思うので、このような機会を設けました。



通常コースよりかなりお値引きしていますので、是非。


ホテルへ行かなくても、カフェやレストランでお茶やお食事のみでも大丈夫です。




お会いしましょう。








十三花






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  1. 2023/03/14(火) 19:31:00|
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無題

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日が少しずつ伸びてきているのを感じる2月の終わりの午後6時半、歌舞伎町。






もっと尖った女性を想像していた。




もしサディストの女2人で手持ち無沙汰になったらいけないと思って、近場で犬を待機させていた。


目を見てすぐに犬は必要ないと判断した。



白くて柔らかそうな女の子、聞けば私と同い年。子供の頃に私が1年半だけ過ごしたまちから最近東京で暮らすようになったそうだ。



あの風の強いまちのどこかで、もしかしたら会っていたかもしれない。




私に憧れてこの世界に入ったと聞いて、何故?どこに?どうして?


こちらから色々と食い気味に質問をしてしまった。



緊張しているのがこちらにも伝わって、ぐっと近づいてみたら さっきまで滑らかだった白い肌にぶわっと鳥肌が立ってボツボツになっていた。



本当にこんなことってあるんだな。



生まれ育った環境や、どんな事をするのが好きなのか、なぜこうなのか。


互いにそんなことをききあった。





彼女は私にプレゼントをくれた。


CHANELの口紅。


私の好きな色。



最後にひとつお願いがあります



彼女は自分用の口紅も買ってきていて、それを私に塗って欲しいと言った。


そして部屋に飾りたいと。



そんなことを言う彼女の瞳を見つめていると私の底から湧き上がってきた。



私は彼女の口紅を手にとり、覆い被さるように対面に上に乗り、顎を掴んだ。



違うんです、そうじゃなくて



そう言う彼女の唇に色を塗る。



目を閉じないで、ちゃんと私の目を見て



震えが伝わる。



綺麗に彩られたその唇に、私の唇を乗せる。







ファーストキスなんて忘れちゃったけれど、こんな感じなんでしょうね



そんな事を言う彼女の柔らかそうな胸元は、すっかり大人のかたちをしていた。




私は彼女にとっての何なんだろう。


画面越しにずっと見ていたという私の生身の姿は彼女にどう映ったのだろう。






私、最近何に鳥肌がたったっけな。


ああそうだ。つい数時間前。午後5時半を過ぎたあたりのこのまち、東京がどんどん青に包まれていってあっという間に夜になった時だ。


この季節のこの時間の東京はなんて、なんてきれいなんだろうってそう思って鳥肌がたったんだ。



もうすぐ春です。



  1. 2023/02/24(金) 00:00:18|
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鱗粉


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飛んでいっちゃいそうね、



下着姿になった彼女の胸元は震えていて、まるでそこにいる蝶々は羽ばたいて飛んでいってしまいそうだった。



そんなことを考えながら肌に触れる。


それは皮膚に無数の穴を開けて置かれたインクでしかないことくらいは充分にわかっている。






彼女に初めて出逢ったのは2年前の夏だった。



「こうやって会ってみたいと思う女王様は初めてでした」



 確かそんな様な事を言われた気がする。





それからもう一度、彼女は私に会いに来た。


私と同い年の女。


ラッキーストライクの紫煙。


青紫の空気を纏った、少し陰のあるいい女。


そんな印象だった。



歌舞伎町のラブホテルで、私と同い年の女を縛って、打って、抱きしめた。


そして一緒に風呂に入った。








ホテルの扉を開いてその姿を見た瞬間に、2年前の雰囲気とは随分と違って見えた。



かわいい。私に懐く様な視線を向けてくる彼女は、(もしあるとしたら)尻尾を振っている。



私にずっと会いたかったんだ。聞かなくても解る。



私は? 1番お気に入りの赤いコートを着て、クリーニングから受け取ってきたブラウスを着て。


昨夜は早く寝た。




二年前は「女王様」に会いに来ていたのだと思う。


この日は違うように思えた。その内側の私に会いに来た。そんな気がした。






飛んでいきそうな蝶々を捕まえる。




彼女の真っ直ぐな視線に私は照れてしまって思い切りできない様な気がして、レザーの全頭マスクを被せた。


滑らかな肌に触れる。


呼吸が荒くなるのを感じる。




きっと私は彼女にとっての「女王様」ではないしそうでありたくもない。


彼女は私の「奴隷」ではない。


しかし友達でもなく、恋人でもない。


プレイメイトで片付けたくない。



きっと私たちが繋がるのに1番適した方法がこれだっただけ。


関係に名前をつけなくてもいい。






彼女の事をこうやって思い出しながら言葉を綴ると、暴れる蝶々の鱗粉があの狭い部屋いっぱいにキラキラと舞っていた様な気がして、とてもいい気分になるのです。



また、会いたいな。




  1. 2023/02/20(月) 19:01:26|
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十三花(TOMiCA )

Author:十三花(TOMiCA )
拠点を名古屋から東京に移し、SM活動中。
まだまだ勉強中ですが、緊縛が好きです。

楽しいことが大好き。

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