SMホテルのアルファインに行きたくて、また十三花さまに入らせていただきました。
女装して新宿の待ち合わせ場所で合流。
タクシーで向かいます。車内では、縄の話とか、女装の話とかで盛り上がり、あっという間に到着しました。
「奴隷市場」「万華鏡」「定期検診」など、いろいろな部屋があって迷います。十三花さまにアドバイスいただいて、ようやく決定。
部屋に入り、シャワーを浴びました。
上半身をガッチリ縛られて、吊り床に掛けられます。縛りながら、私のウィークポイントの乳首を、焦らすようにタッチする十三花さま。私も、つい甘い吐息が出ちゃいます。
その乳首をクリップで挟まれたり、一本鞭で打たれたりして悶絶していると、来客です。亀甲縛りされた若い女性がS男性に連れられて来ました。結局、この日は、数組のカップルが見学に来られ、少しだけですが、相互プレイも楽しめました。
そして、何よりも良かったのは、十三花さまの鞭でした。
一本鞭を繰り返し受けているうちに、脳の奥から快感が込み上げてきて、エクスタシーを感じてしまいました。
鞭でイッたのは初めてです。
悲鳴をあげながら、繰り返し達してしまった私。
やっぱりマゾでした。そのことに改めて気づかせていただいた十三花さまには、感謝の言葉しかありません。
超楽しかったアルファイン。また、十三花さまと遊びに行きたいです。
「ずっと見てました」
「何で会いに来なかったの」
10年近く前からネット上で私を見て憧れていたという年下の男の子。
偶然、バーで居合わせた。
その後すぐに、私の元を訪れた。
そしてもう一度訪ねる。
「何で会いに来なかったの、」
10代 前半の頃、大好きなアイドルがいたこと。
握手会へ行って憧れのアイドルを目の前にして夢が醒めたこと。
どうしてあんな人のこと好きだったのかわからなくなったこと。
もしかしたら私へもそうなるんじゃないかと怖くて会いに行けなかったこと。
今まで五人くらいのひととそれをやってみたけれど誰ともしっくり来ずに二度会うことはなかったこと。
などを聞いている途中で前髪を掴み顔を上げて瞳を覗き込んでみた。
その目は、体は。潤んで、微かに震え出す。
きっと君にはこっちの方が似合うよ、しっくりくる。
その頭を私の足元へ。
それからの時間はあっという間だった。
手枷、足枷、マスク、鞭。
ハイヒールが床を鳴らす。
上に乗り体温を確かめ合う。
鼓動はどんどん速まる。
夢から醒めたんだろうか。
醒めていてほしい、だってこれは現実。
私は理想通りだったんだろうか。
そうではない方がいい。
勝手な理想は壊したい。
まだ明るいうちにさよならをした。
その日にメッセージが届いた。
本日はありがとうございました。
———
自分はマゾだと強く実感させて頂けました。
———
引き続きよろしくお願いします。
などと綴られていた。
また会える日をほんのりと待とう。
真っ白い腕と、ジーンズから少し覗いた腹から彼岸花の刺青。
20歳になってすぐの頃だろう。
Tシャツを着て満開の薔薇の前で微笑んでいるから、6月くらいだろう。
よく晴れた平日の昼下がり。
その日私は一眼レフを提げてまちで1番大きな公園にいた。
その公園には薔薇園があって、色とりどりの薔薇は満開を迎えていた。
当時の携帯電話ではザラザラとした画質の荒い写真しか撮れなかったので、一眼レフから覗く薔薇はそれだけで立派に感じた。
ファインダーを覗いてシャッターを押す。
それだけで何者かであるような気分になれる。
何者かであると信じていた。
よく晴れた平日の昼下がり。
私の他に、薔薇を撮る老人がひとり。
どちらから話しかけたのかは憶えていない。
いつの間にかベンチに座ってほんの少しだけ話した。
老人は薔薇の前にいる私の写真を撮った。
現像したら渡したいのでまた会いましょうと言う話になった。
来週のこの時間に、あそこで。
「あと10分遅れる」
そんなやりとりをメールでいつもしていた私にとってその口約束は少し新鮮に感じた。
次の週。
となりまちの商店街の入り口にあるコーヒーチェーン店の2階へ行くと老人は1番奥の席に座っていた。
私は向かいに座る。
渡された茶封筒の中を確認すると、薔薇の前で眩しそうに微笑む私がいた。
それともう一つ。
「これ、妻の形見です。」
老人は小さな透明の袋に入った一粒ダイヤのネックレスを差し出して、私の手を握った。
「これからもこうやって会ってくれますか」
真っ直ぐに私の目を見つめて。
大人になりきれていない私にだって、わかった。
思わず目を逸らした。
美味しくもまずくもないアイスコーヒーの氷が溶けていく。
「これから友達に会う予定があるので」
確かそんなふうに適当に切り上げてさよならしようとしたら、老人は052から始まる電話番号のメモを私に渡した。
死んだ妻の形見のダイヤモンド。
私の手を握るしわくちゃの手。
ポケットに突っ込んだメモ。
どんな気持ちになればいいかわからずに携帯電話を開く。
「今何してんの?」
同じ大学の男の子にメールを送り、商店街の出口にあるお寺の境内で落ち合った。
「へー、お前ジジイにモテるんだな、遺産狙えよ、とりあえずそれはそこの質屋に持っていけよ、高く売れたらなんか奢って」
そう言って笑う彼の吐き出すタバコの煙をぼんやり見ていたら気持ちが軽くなった。
すぐにさよならをして商店街に戻り、まちで1番大きな質屋に持って行った。
緊張感のある査定カウンターにさっきもらったダイヤモンドをドキドキしながら差し出す。
「こちら買取できません」
査定はすぐに終わった。
ダイヤモンドと信じて疑わなかったそれはただのキュービックジルコニアという偽物の石だった。
私は恥ずかしくなり逃げるように質屋を出て家に帰った。
妻の形見。
なんてことをしてしまったのだろう。
大切な思い出を私はあっさりお金に変えようとしてしまった。
暫く傷ついていた。
けれどそれはいつの間にか本と服がごちゃごちゃに重なった私の汚い部屋に埋もれてどこかへ行ってしまった。
それ以来、その老人には会っていない。
今でも偶に。その写真が収められているアルバムを開く。
あの老人はまだ生きているんだろうか。
孫ほど歳の離れた女の手を握って真剣な目をする老人は確かに気持ち悪かったし一度会っただけなのに妻の形見を渡してしまうのもどうかしている。
妻の形見とかそんなの関係なしに前の女のものを別の女にあげるなんてもってのほか。
ダイヤモンドだろうがキュービックジルコニアだろうがそれは関係ない。
そんな大切なものをあっさり売ろうとした私も最悪だし、そもそもそんな気持ちになるなら初めから受け取らなきゃよかった。
老人も私も。
2人ともクズだ。
「妻の形見」よ。嘘であってくれ。
何者かであることを信じてシャッターを押していたけれど、それから暫くして何者でもないことに気づいた。
何者でもない体はあの頃に比べて随分と鮮やかで軽い。
真っ白な腕で微笑むムチムチのハタチの私。かわいいなぁ。
初めて降りたった鹿児島。
このまちで出逢った女の子のおはなし。
すぐ近くに見える日本画のような現実味のない山の上の青い空に白い雲がぽかんと浮かんでいる。
SM道具を詰めた重いキャリーバッグを引いて見慣れぬ扉を開けるとふわふわとした雰囲気の色の白い、ボブカットの女の子がいた。
えらく緊張しているようで大きな瞳がきょろきょろと動く。
「十三花様にお会いできるなんて夢のようです」
聞けばこのまちからも随分と遠くの九州のとあるまちからわざわざ私に会いに来てくれたそうだ。
連休を取れないから東京へは行けない。
だからまさかこうやって会えるなんて思っていなかったと。
SM未経験どころか、ラブホテルに入るのも不慣れで、パートナーにここまで送ってもらったそう。
パートナーの了承を得てここにいること。
何もかも未経験であること。
鞭を打たれてみたいこと。
その相手は私がいいこと。
短い時間だったので割と手短に話を聞いた。
痕が残っても大丈夫か聞いたら、
残して欲しいと言われた。
シャワーを浴びてレースのランジェリー姿で出てきた彼女。
エナメルのコルセットを締めてエナメルのブーツを履いた私。
彼女が夢みていた風景なんだろうか。
私にとってはついさっき会ったばかりの見知らぬ女の子だけれど、彼女は私の存在を前から知っている。
全く未経験の彼女と、10年以上も前から鞭を打っている私。
そんなちぐはぐな私たちが、位置について。
彼女は私の足元に跪き、私は彼女の背中にブーツを履いた足を乗せる。
踏みつけたら壊れてしまいそうだから、靴底が触れる程度に優しく。
緊張しているのだろう、張り付いた笑顔。
強張っている表情と身体。
それを解きたくて、私は白い肌に鞭を振り下ろす。
押し殺した声に赤く滲む線。
こんな可愛い女の子にこんなことをされてみたいと思わせてしまった自分が罪深いとさえ感じる。
でもその白い肌が赤く滲む度に肌が粟立つほどの快感が私にも滲んでいく。
夢見た風景とそれは合致したんだろうか。
きっとその瞬間は夢のことは忘れていたと思う。
あっという間に時間になってしまった。
口紅を塗り直していたら、
「ここにキスマークをつけて欲しいです、」
とメモを渡しできたので、そのメモにキスをした。
ありがとうございます、とそれを見つめてニコニコしている彼女。
さっきまであんなに酷いことをしていたのに。
その表情を見て少しだけホッとしたような気分になった。
彼女は、手紙と私の好きなチョコレートと、コーヒーのチケットをくれた。
さよならした後に早速手紙を開いた。
まるで恋心のような から始まる彼女からの手紙。
私は私でよかったな。
こんなに素敵な女の子に、こんなに想われるなんて。
翌日、メッセージが届いた。
またこんなことをするなら、やっぱり私がいいんだって。
鞭の痣は、お花みたいに綺麗なんだって。
また会いたいな。
マンネリ化した日常から離れたくて、久しぶりにSMに戻ってみることにしました。
そこで、思い切って、本格的な縛りと、とても美しいタトゥーをお持ちで、以前から気になっていた十三花女王さまにお会いすることにしました。
迎えた当日、朝から、どんな展開になるか楽しみで、ドキドキが止まりません。
そして、ついに、十三花さまとお会いするときが来ました。
初めてお会いする十三花さまは、すごく美しくて、でも目力の強いお姿で、一層ドキドキ感が高まります。
「この後、どんな風になるんだろう」。
そう考えながら、待ち合わせ場所からホテルに移動し、部屋に入るまでに、自分が、これまでに、どれだけ変態なことをしてきたか、全て白状させられていました。それは、既に羞恥プレイが始まったようなものでした。
シャワーを浴びて、いよいよプレイが始まります。
土下座をして、
「奴隷の〇〇です。よろしくお願いいたします」
とご挨拶したら、「奴隷にするかどうかは、私が決めること。
勝手に名乗るんじゃない」とお叱りを受けます。
お仕置きに、麻縄でガッチリ縛られて、一本鞭を取り出されます。
なんと、それは、私のいやらしいペニクリに振り下ろされました。
憧れだった一本鞭を何回も受けて、先っちょからは、透明な液が出て床に垂れます。
十三花さまが、それを見逃すはずはありません。
お仕置きは、ロウソクです。
私の大好きなロウソク。
でも、粘膜に受けるのは初めてです。
いやらしいペニクリに熱いロウが垂れます。「ああっ」私の大きなアエギ声が廊下まで響きます。
さらに、乳首を指でギュッとひねられます。
「ヒィッ」。
私の悲鳴が部屋に響き渡ります。
私の乳首、本当は、軽く触れられただけですごく感じるイヤらしい乳首なんです。
こんなに強くつねられるのはイヤなのに、最後は、つねられて、乳首イキしてしまいました。
どうしてだか良く分かりませんが、自分でも良く分からないマゾの血が騒いだとしか言いようがありません。
家に帰って、お風呂に入るとき、二の腕に縄跡が残っていました。
明日には消えてしまうのかと思うと、ちょっと残念です。
乳首のヒリヒリするのも、何日か、今日の思い出として味わいたいと思います。
Author:十三花(TOMiCA )
拠点を名古屋から東京に移し、SM活動中。
まだまだ勉強中ですが、緊縛が好きです。
楽しいことが大好き。
SM以外の日常的な事も日々呟いています。