ここは名古屋市緑区にある喫茶店。
内装があまりにも素敵で。
何かの為に、ではなく。
大好きな昭和な雰囲気の場所で写真を撮りたい!
ただそれだけで撮影しました。
フォトグラファーは何度も私の写真を撮ってくれている友達。
メイクも美容のお仕事をしている友達がしてくれました。
大好きな友達と素敵な空間で撮影。
楽しかった♡
他にも沢山撮ったのでいつかまた公開する、かも。
快く撮影許可を下さった喫茶店のママさん、ありがとうございました。
十三花
- 2017/09/23(土) 00:22:22|
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1.
菊が怖かった。
子供の頃、大輪の菊の花が怖かった。
それは大きければ大きいほど、首輪をはめられていた。
大きければ大きいほど美しかった。
首輪をはめられている菊の側には、決まって老人がいた。
誇らしげな表情、ぴんと背筋の伸びたお爺さん。
それは菊より恐かった。
自身を支えきれない程に大きく光る菊の花。
この首輪を取ればこの菊は死ぬのか、そう思うと一層こわかった。
でも、目を離せなかった。
アサガオのそれとは違う、菊の首輪。
夕闇に浮かぶ大輪の菊。
2.
彼に初めて会ったのはいつだっただろうか。
彼にとって8年振りのそれ。
ずっと慕っていた方が引退してからこんなことはしていなかったという。
彼のそれは完璧だった。
私の大きな荷物を何の躊躇いもなくベッドの上に寝かせた。
彼は、柔らかな、高いベッドより、床を選んだ。
「お会いさせて頂きありがとうございます。」
8年振りに跪く。
きっとその瞬間は8年前、もっと前を思い出していたんだろう。
それから何度もそうなった。
私は彼の向こうに8年前のハイヒールを垣間見る。
きっと、美しく、立派で、完璧な女性。
こんな風に育てたのだから。
彼のそれを、こんなに大きく咲かせたのだから。
8年前に、首輪を取られた瞬間に。彼のそれは死んだのだろう。
3.
「私たち、初めて会ったのはいつだったっけ?」
「3ヶ月前です。」
もっと昔な気がしていたけれど、まだたったの三ヶ月。
私はまた新しく彼のそれを育てているけれど、まだ。
首輪をとっても大丈夫、たった三ヶ月。
死なない筈だ。
それを伝えたら彼は少し寂しそうな顔をした。
外したら死ぬくらい大きく育ててみたいと思った、9月9日。
菊の節句。
- 2017/09/11(月) 11:08:48|
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20年振りのSMクラブだという、ワイシャツを着た痩せたおじさん。
20年間何をしていたの?
働いて、結婚して、子供を作って…普通の人間のフリをして生きていました。
そのまま生きていた方が幸せだったんじゃないの。わたしの写真がこっちの世界に引きずり戻したようだけれど、そんなことは知らない。
床に座ってごらん、きっとあなたにはそこが似合うから。嫌ならそのままでいいけれど。
ソファに座る私。
床に座ったおじさんは醜くて可愛いマゾになる。
20年振りにその醜い姿を晒し始める。
見つめて頂けるなんて嘘みたいです。
これは夢の世界なんかじゃなくて、会社を出て、電車に乗って、そしてここまで歩いて。
そこからずっと繋がっている現実。
叫び声を聞いた。震える手に触れた。
時間が来て、元の姿に戻る。ワイシャツの、痩せたおじさん。
昨日、あなたみたいな人を沢山見たの。あなたが沢山いましたよ。
知らない駅で降りて見たの。そこは沢山の長方形に囲まれていて、ワイシャツを着た、沢山のあなたが、まるで引いてある線の上をなぞるように、まっすぐに歩いてるモノクロの街でした。
昨日見たあの人たちも、今日のあなたみたいに色づくことがあるのかしら?きっとあるんでしょうね。
「私は、色づいてましたか」
「はいとても、極彩に色めきだっていましたよ」
白黒の世界から繋がっている、極彩色の世界におかえり。
- 2017/09/07(木) 01:38:50|
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どうしてこんな風になっちゃったの?
熱く、赤く、青く、黒く腫れたお尻をそっと撫でながらきいてみた。
微かに震える肌は何も答えない。
沈黙の中で思い出した。
ああそうだったね。
こんな風にしちゃったのは私だ。
無責任な愚問だったね。ごめんね。
こんな風になるまでどうして。
自分に訊いてみる。
ああそうだったね。
私は君の初めてのひとだ。初めてこうしたとき、君は、どんどん閉じこもっていくだけで、声ひとつあげなかった。
見てみたかったの。狂うのを。
聞いてみたかったの。叫び声を。
三度目でやっと聞けるようになったその声。
こうなるまでに何度も訊いたね。
もう嫌になっちゃった?
君はしっかりとした声でこう答えた。
「いいえ」
そして私はさよならする前にこう訊いた。
こうなって、幸せ?
「わかりません」
そう、それでいい。こんなことで幸せになってはいけない。どんどん堕ちていけばいい。
そしてまたこうやって、遠いまちから私に会いにくればいい。
ねぇ、知ってる?
君がくれた絵。
あの絵の中にいるのは、遠い昔の連続殺人鬼。
- 2017/09/03(日) 17:57:13|
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こわれる
縄を解いて床に寝かせていたらあの子はそう呟いたんだ。
だから私はきいてみた。
それはどんな音、ガシャンって壊れるの?
ちがう
バリンって壊れるの?
ちがう サラサラ
サラサラと壊れていく。
それは砂だったんだ。細かい粒。
だから私は息を吹きかけた。
ああ、無くなっちゃうよ。
あの子は震えて泣いていた。こわいって。
ああ、もう無くなっちゃったよ、もうどこにあるのか解らない、その一つ一つの粒は何だったの?
何でもなかったんだ、なにものでもない。
何でもない何かを固めて大切にしていたんだねきっと。
なにものでもないということを認めるのは凄くこわいんだ。
かきあつめようとしてももうそれがどれだったのかは解らない。
なんてそんな風に壊れていった私たちだけれど、時間という現実がきて、何事も無かったかのように、元の姿で、少し涼しくなった9月の歌舞伎町にすとんと着地して、重い荷物を引きずりながら歩いてさよなら。
たったの2時間だけ、こわれる遊びをした私たち。
もうすぐ彼岸。
- 2017/09/02(土) 18:15:46|
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