どうしてこんな風になっちゃったの?
熱く、赤く、青く、黒く腫れたお尻をそっと撫でながらきいてみた。
微かに震える肌は何も答えない。
沈黙の中で思い出した。
ああそうだったね。
こんな風にしちゃったのは私だ。
無責任な愚問だったね。ごめんね。
こんな風になるまでどうして。
自分に訊いてみる。
ああそうだったね。
私は君の初めてのひとだ。初めてこうしたとき、君は、どんどん閉じこもっていくだけで、声ひとつあげなかった。
見てみたかったの。狂うのを。
聞いてみたかったの。叫び声を。
三度目でやっと聞けるようになったその声。
こうなるまでに何度も訊いたね。
もう嫌になっちゃった?
君はしっかりとした声でこう答えた。
「いいえ」
そして私はさよならする前にこう訊いた。
こうなって、幸せ?
「わかりません」
そう、それでいい。こんなことで幸せになってはいけない。どんどん堕ちていけばいい。
そしてまたこうやって、遠いまちから私に会いにくればいい。
ねぇ、知ってる?
君がくれた絵。
あの絵の中にいるのは、遠い昔の連続殺人鬼。
- 2017/09/03(日) 17:57:13|
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