百合の花を貰った。
庭に咲いた百合の花。
Bの庭に咲いた百合の花。
Bが育てた百合の花。
彼の家の庭には百合が沢山たくさん咲いていて、風のない夜はこの百合の香りでいっぱいになるんだって。
蛙の鳴声、風のない夜、甘い百合の香り。
この真っ白い百合はきっと、夜に浮かび上がって光っているのでしょう。
温い空気の中でその香りは触れることができるくらいに辺りを満たしているのでしょう。
蛙の鳴き声、風のない夜、甘い百合の香り。
Bはその百合の花を、水を満たしたグラスに無造作に挿し、部屋の隅に置いた。
そして私はBの身体を麻縄で拘束したり、アナルを弄び何度も何度もいかせたり、肌に鞭を振り下ろしたりした。
蛙の鳴き声、風邪のない夜、甘い百合の香り。
きっと私はそれを体感することは無い。
新聞紙に包まれたその一本の百合の花、ふたつは満開で、ひとつは咲きかけ。ひとつはまだ、蕾。
貰った時より咲きかけの百合は少しだけまた開いてきた。
今夜は百合の香りを嗅ぎなら、久し振りに草野心平の詩集を開こう。
十三花
- 2017/07/22(土) 00:34:01|
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