もの心付いた頃から成長が早かった。
私は、周りの子供達よりも頭一つくらい大きかった。
男の子も、もちろん、女の子も。
私より小さいのが当たり前だった。
力も強かった。
高学年になると世間は私を大人のような目で見た。
バスや電車で止められたことが何度かあるほど。
それは快感だった。
私はまわりの人より大きくて、強い。
中学に上がると、周りの人たちが徐々に成長し始めた。
私の身長は止まったままであった。
私よりも随分と小さくて、可愛くて、幼い男の子達が、日に日に私の身長を抜かしていくのだ。
それは抗えない焦りであり、ある種の恐怖であった。
私は誰よりも強いはずだったのに。
私の身長は6年生で止まった。
そして高校生になり、私よりずっと身体の大きい男の子が、私に懐いてきた。
彼らは私の無茶なお願いを頑張って叶えようとした。
それは思い返すと命令に近いものがあった。
強いもの、弱いもの。
身体の大きさではない。
焦りはいつのまにか消えていた。
子供の頃の事を人に話して、自分でも気付かなかった今の性癖に繋がる感覚に、今更ながら気付いた。
男の子はわたしより弱い。正確にいうと、強いのに私に従う。その感覚に何処か安心感を覚えているのかもしれない。
SMに目覚めたきっかけは?
初めて会うマゾたちに必ず訊く質問。
うまく答えられなくて当然。
きっかけなんていくつもあって、自身でも気付いていないこともいくらでもある。
十三花
- 2018/12/13(木) 03:41:08|
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