あいつはお前の彼氏か?
いや、別に、付き合ってるわけじゃあ、ないんだけどさ
でもあいつは、お前のこと好きだろう?
まーね、たぶんね
可哀想だから付き合ってあげなさい!
こんなやり取りが何度かあった。高校生の頃、父親との会話。
娘と父の会話。思い出すと実に奇妙である。
私はその頃にはSMの世界は知っていて、知っているつもりでいて、緊縛に憧れ、鞭に憧れ、ハイヒールにコルセットに憧れていた。
シャンパングラスが入っていた水色の箱の中に、蝋燭と、縄と、手錠を入れて。
たまに開けてはワクワクしていた。
あの頃気づかなかったことに今更気付く。
私はSMに憧れていて、それは別世界だと思っていたけれど。
あの頃の男の子たちはとは主従関係であったこと。
もちろん主人は私であったこと。
それに気付いていなかった。
その頃、黒とピンク、同じ形で色違いのワンピースを買って貰った事がある。
そして私に懐いてくる男の子に着せて、覚えたての化粧をして。
ほら、私とお揃いで嬉しいでしょ?
なんでそんな遊びをしていた。
今思い返すと、SMとは緊縛であり鞭でありハイヒールでありコルセットであると思っていた。
私のお願いが聞けないの?
度々そんなことを言っていた。
お願いとはある意味では命令に近いような気がする。
(勿論それらは大好きだけれど、)緊縛より鞭よりハイヒールよりコルセットより、私に従う姿を感じると何よりも興奮する。
命令よりも、お願いが好き。
命令に近いお願い。
私はこうして欲しいけれど、それは、私のためではなくて、あなたの意思で。
あなたの意思で跪く姿が好き。
まもなく梅雨明け。
十三花
- 2019/07/26(金) 22:49:16|
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